「DXに興味はあるけど、何から始めればいいか分からない」「予算も人材も限られている中小企業でもできるのか」――中小建設会社がDXを始める際、多くの経営者が同じ悩みを抱えています。
経済産業省の調査によると、従業員数100名以下の中小企業のうち、約60%が「DXに取り組んでいない」または「取り組む予定がない」と回答しています。その主な理由として「何から始めればいいか分からない」「予算が確保できない」「社内にIT人材がいない」といった声が挙げられています。
しかし実際には、大規模な投資や専門人材がいなくても、段階的にDXを進めることは十分可能です。本記事では、予算や人材が限られた中小建設会社でも実践できる、DXの始め方を3つのステップで具体的に解説します。
中小企業こそDXが効果的な理由
「DXは大企業がやるもの」と思っていませんか。実は中小企業の方が効果を出しやすく、投資対効果も高いという調査結果があります。
大企業より有利な3つのポイント
中小企業には、大企業にはない独自の強みがあります。
第一に、意思決定が速いことです。大企業では新しいシステムを導入する際、複数の部署による検討会議、稟議書の回覧、役員承認など、数ヶ月かかることも珍しくありません。一方、中小企業では経営者の判断ですぐに実行に移せます。「これは使える」と思ったツールを、翌週から試験導入するといったスピード感が可能です。
第二に、全社展開がスムーズであることです。社員数が20〜30名程度であれば、全員への教育や浸透も比較的容易です。大企業のように拠点ごとに説明会を開催したり、部署間の調整に時間を費やしたりする必要がありません。朝礼で説明し、数回のフォローアップを行えば、1〜2ヶ月で全員が使いこなせるようになります。
第三に、効果が見えやすいことです。従業員10名の会社で1人あたり1日30分の業務効率化を実現すれば、会社全体で月に約100時間、年間で約1,200時間の削減になります。これは人件費に換算すると年間200万円以上のコスト削減に相当し、投資対効果を経営者が直接実感できます。
よくある誤解を解く
多くの経営者が抱いている誤解について、実態を見ていきましょう。
し、初期費用なしで始められるサービスが多数あります。中小企業の規模でも導入しやすい価格帯のシステムが増えています。
「ITの専門知識が必要」という誤解も根強くあります。しかし、最近のビジネスツールは「誰でも使える」ことを前提に設計されています。スマートフォンが使えれば操作できるレベルのツールがほとんどで、特別なIT知識は不要です。むしろ、現場の業務を理解している方が、効果的な活用方法を見つけられます。
「うちの業界には合わない」という声もよく聞かれます。確かに建設業は現場作業が中心で、デスクワークとは異なります。しかし、だからこそDXの効果が大きいのです。現場とオフィス間の連絡、写真管理、日報作成、工程管理など、建設業特有の業務こそデジタル化による効率化の余地が大きいと言えます。
ステップ1:現状分析と目標設定
DXの第一歩は、自社の業務を正確に把握し、改善すべき課題を明確にすることです。ツール選定から始めてしまい、導入後に「使われない」「効果が出ない」となるケースが多いのは、このステップを省略してしまうためです。
業務の見える化から始める
まず、現場の実態を知るために、社員に具体的な質問を投げかけてみましょう。「どの業務に最も時間がかかっているか」「毎日繰り返している無駄な作業は何か」「情報共有で困っていることはないか」「残業の主な原因は何か」――こうした質問は、経営者が思っていた課題と現場の実態が異なることを明らかにしてくれます。
調査方法は3つあります。一つ目は社員へのアンケートです。無記名式にすることで、より率直な意見を集められます。「日報作成に毎日どれくらい時間がかかっているか」「写真整理で困っていることは何か」といった具体的な質問を用意しましょう。
二つ目は作業時間の測定です。1週間、実際にどの作業にどれだけ時間がかかっているかを記録してもらいます。「思っていたより写真整理に時間がかかっている」「現場への移動連絡だけで毎日1時間使っている」といった気づきが得られます。
三つ目は現場の観察です。実際に現場に足を運び、どのように業務が行われているかを見ることで、アンケートでは見えてこなかった課題が見つかります。たとえば、「スマホで写真を撮った後、事務所に戻ってPCに取り込み、フォルダ分けしている」といった非効率な作業が見つかるかもしれません。
課題の優先順位を決める
すべての課題を一度に解決することは現実的ではありません。限られた予算と時間の中で最大の効果を出すには、課題の優先順位付けが重要です。
優先順位の判断には「実現しやすさ」と「効果の大きさ」の2軸を使います。効果が大きく、実現も容易な課題を「最優先」とし、効果は小さいが実現が容易なものは「余裕があれば」、効果は大きいが実現が難しいものは「将来の課題」、効果も小さく実現も難しいものは「後回し」とします。
たとえば、以下のような課題が最優先の候補となります。日報作成に毎日30分かかっているのであれば、20名の会社で年間約2,400時間(月20日×12ヶ月×20名×0.5時間)の削減余地があります。写真整理に週3時間かかっているなら、年間約150時間の削減が見込めます。週報作成に毎週1時間かかっているなら、年間約50時間の削減です。
一方、「3次元CADの導入」や「全工程の完全デジタル化」といった課題は、効果は大きいものの、実現には高度な専門知識や高額な投資が必要となるため、まずは将来の課題として位置づけるべきでしょう。
具体的な目標を設定する
課題が明確になったら、測定可能な具体的目標を設定します。
「DXで業務を効率化する」という目標は抽象的すぎて、効果を測定できません。「日報作成時間を30分から10分に短縮する(3ヶ月以内に達成)」のように、数値化でき、期限が明確で、達成可能な目標を設定することが重要です。
目標の立て方には3つのポイントがあります。第一に、必ず数値化できる目標にすることです。時間削減であれば「○時間から○時間へ」、作業負荷であれば「週○回から週○回へ」というように、達成度を客観的に測定できる指標を設定します。
第二に、明確な期限を設けることです。「いずれ」「徐々に」では実行力が伴いません。「3ヶ月後」「半年後」といった具体的な期限を決め、その時点で効果を評価します。
第三に、達成可能な範囲に設定することです。「日報作成時間を30分から5分へ」という目標は意欲的ですが、現実的には難しいかもしれません。「30分から15分へ(半減)」を最初の目標とし、達成できたら次のステップで「15分から10分へ」とするなど、段階的な目標設定が成功のコツです。
ステップ1の最後に決定すべき3つの項目があります。解決すべき課題(例:日報作成の効率化)、具体的な目標(例:作成時間を30分から10分へ、3ヶ月以内に達成)、予算の範囲です。これらを経営会議や幹部ミーティングで合意し、次のステップに進みます。
ステップ2:ツール選定とトライアル
目標が明確になったら、それを実現するツールを選定します。ツール選びで失敗すると、せっかくの投資が無駄になってしまうため、慎重に進めましょう。
ツール選定の3つの基準
ツールを選ぶ際は、3つの基準で評価します。
【基準1:使いやすさ】
最も重要な基準は使いやすさです。どんなに高機能でも、現場の社員が使いこなせなければ意味がありません。
確認すべきポイントは3つあります。第一に、ITに不慣れな社員でも使えるかどうかです。60代のベテラン職人でも直感的に操作できるインターフェースかどうかを確認します。第二に、スマホでも操作しやすいかです。建設現場では常にPCを持ち歩けないため、スマホでの操作性が重要になります。画面が小さくても見やすいデザインか、タップしやすいボタン配置かをチェックします。第三に、マニュアルなしで使えるかです。分厚いマニュアルを読まないと使えないツールは、結局使われなくなります。
判断方法としては、実際に現場の社員にトライアルで試してもらうことが最も確実です。IT得意な若手社員だけでなく、普段PCをあまり使わないベテラン社員にも試してもらい、意見を聞きましょう。
【基準2:必要な機能が揃っているか】
解決したい課題に対して、必要十分な機能があるかを確認します。
たとえば日報効率化が目的であれば、次の機能が必要です。スマホから入力できること、写真を簡単に添付できること、テンプレート機能があること、自動集計機能があることです。これらの機能があれば、現場で入力した日報が自動的にオフィスのPCに反映され、月次集計も自動で行えます。
ただし、注意すべき点があります。多機能すぎるツールは避けるべきです。「あれもできる、これもできる」というツールは一見魅力的ですが、機能が多すぎて使いこなせないケースが多々あります。最初は必要最小限の機能に絞り、慣れてきたら追加機能を使うという段階的なアプローチが賢明です。
また、将来的な拡張性も考慮しましょう。最初は日報機能だけ使うとしても、将来的に写真管理や工程管理にも活用したい場合、それらの機能が追加できるツールを選んでおくと、後々の乗り換えコストを削減できます。
【基準3:予算内か】
総コストを正確に把握することが重要です。
確認すべき費用は4種類あります。初期費用(導入時の設定費用など)、月額費用(ユーザー数に応じた利用料)、オプション費用(追加機能やストレージ容量の拡張)、サポート費用(電話サポートやオンサイト支援)です。
月額費用だけでなく、これら全てを含めた総額で比較することが大切です。初期費用が高くても月額が安いツールと、初期費用が無料で月額が高いツールでは、長期的な総コストが異なります。1年間、2年間といった期間での総額を計算して比較しましょう。
自社の予算に合わせて、無理のない範囲で選定することが重要です。IT導入補助金を活用することで実質負担を大幅に減らすことも可能です。
トライアルで効果を検証する
候補が2〜3社に絞れたら、必ずトライアルで実際に使ってみることをお勧めします。カタログやデモ動画だけでは分からないことが、実際に使うと見えてきます。
3週間のトライアル期間を設けましょう。1週目は基本操作の習得期間です。現場社員2〜3名を選び、基本的な操作方法を覚えてもらいます。日報の入力、写真の添付、報告書の作成といった主要機能を一通り試します。この段階では既存の作業と並行して試験的に使用します。
2週目は実践期間です。実際の案件で使用し、従来の方法(紙の日報など)と並行運用します。これにより、「実際の業務で使えるか」「どのような場面で困るか」が明確になります。朝礼や夕礼で使用感を共有し、気づいた点を記録していきます。
3週目は効果検証期間です。作業時間を測定し、「実際にどれだけ時間が削減されたか」を数値で確認します。また、使用した社員全員にアンケートを実施し、使いやすさ、満足度、改善希望点などを聞き取ります。
判断基準は3つです。第一に、80%以上の社員が「使いやすい」と評価することです。全員が満点をつけることは難しいですが、8割以上が肯定的であれば、本格導入しても問題ないでしょう。第二に、作業時間が30%以上削減されることです。30分かかっていた作業が20分以内になれば合格ラインです。第三に、サポート対応が迅速であることです。トライアル中に質問や問題が生じた際、24時間以内に返答があるかを確認しましょう。
これらの基準を満たしたツールがあれば、本格導入に進みます。もし満たすツールがなければ、他のツールを探すか、要求水準を見直します。
(image-alt: ツール選定からトライアル、判断までのフロー図)
ステップ3:導入と定着化
ツールが決まったら、いよいよ本格導入です。ここで重要なのは、「一気に全社展開」ではなく、「段階的に展開」することです。
3つのフェーズで段階的に展開する
フェーズ1(1〜2ヶ月目):パイロット導入
最初は小規模から始めます。対象はIT得意な若手2名と前向きなベテラン1名、そして小規模案件1つです。この段階の目的は2つあります。一つは問題点の洗い出しです。実際に使ってみると、トライアルでは気づかなかった問題が見つかることがあります。たとえば、「特定の機能が自社の業務フローに合わない」「ある作業で想定外に時間がかかる」といった問題です。これらを早期に発見し、ベンダーに改善要望を出したり、運用方法を調整したりします。
もう一つの目的は成功事例の創出です。「○○さんは日報作成が10分で終わるようになった」「○○現場では写真整理の時間が半減した」といった具体的な成功事例を作ることで、次のフェーズでの展開がスムーズになります。人は「誰かが成功している」と聞くと、自分も試してみようという気持ちになります。
この段階では、毎週ミーティングを開き、使用感や問題点を共有します。小さな改善を積み重ねることで、フェーズ2に進む準備を整えます。
フェーズ2(3〜4ヶ月目):部分展開
パイロット導入で問題点を解消したら、範囲を広げます。対象は全現場監督(5〜10名)と進行中の全案件です。
この段階でも、紙とデジタルを1ヶ月並行運用することをお勧めします。「もしデジタルで問題が起きても、紙の記録があれば大丈夫」という安心感があると、社員の抵抗感が減ります。また、並行運用することで、「デジタルの方が明らかに楽だ」という実感を持ってもらえます。
部分展開では、週1回のフォローアップミーティングを開催します。困っていることを共有し、解決策を一緒に考えます。「この機能の使い方が分からない」「こういう場合はどうすればいい」といった質問に、パイロット導入メンバーや社内サポーターが答えます。
フェーズ3(5〜6ヶ月目):全社展開
部分展開が軌道に乗ったら、全社展開に進みます。対象は全社員で、新規案件は完全にデジタル化します。
ただし、既存案件については、案件の状況に応じて柔軟に対応します。たとえば、完成間近の案件で今までの方法を変えるとかえって混乱する場合は、その案件については従来の方法を続け、次の新規案件から完全にデジタル化するといった配慮も必要です。
全社展開時には、全社員向けの説明会を開催します。操作方法だけでなく、「なぜこのツールを導入するのか」「どんな効果が期待できるのか」という目的も共有することで、社員の協力を得やすくなります。
定着化の5つのポイント
導入しても使われなくなってしまっては意味がありません。定着化には5つのポイントがあります。
ポイント1:社内サポーターを配置する
IT得意な若手を「サポート役」として正式に任命します。「○○さんに聞けば教えてくれる」という存在がいると、分からないことがあってもすぐに解決でき、挫折を防げます。サポーターには月1〜2時間程度の追加業務が発生しますが、その分の時間を確保したり、手当を支給したりすることで、モチベーションを維持できます。
ポイント2:継続的な研修を行う
導入1週間後にフォローアップ研修を実施します。最初の1週間で出てきた疑問や困りごとを解消する場です。また、月1回の勉強会を開催し、便利な使い方や新機能を紹介します。「こんな機能があったんだ」という発見が、ツールの活用度を高めます。
ポイント3:成功事例を共有する
「○○さんは作業時間が半分になった」「○○現場では残業が月10時間減った」といった成功事例を、朝礼や社内報で定期的に報告します。具体的な数字を示すことで、「自分も使えば効率化できる」という実感を持ってもらえます。
ポイント4:小さな改善を続ける
社員の要望を月1回収集し、できることから改善します。「この機能がもう少し使いやすければ」「こういう機能があると助かる」という声を吸い上げ、ベンダーに改善要望を出したり、運用ルールを調整したりします。社員の声が反映されると、「自分たちのツール」という意識が生まれます。
ポイント5:強制しすぎない
どうしても使えない人には猶予を与えることも大切です。周りが使えば自然と「自分も使いたい」という気持ちになります。無理に強制すると、かえって反発を招きます。「まずは見ているだけでもいいから」というくらいの柔軟さが、結果的に全社への浸透を早めます。
効果測定と改善のサイクル
導入後は、定期的に効果を測定し、改善を続けます。
測定すべき指標は4つあります。作業時間の変化(日報作成、写真整理などの所要時間)、残業時間の変化(月間の残業時間の推移)、社員満足度(ツールの使いやすさ、業務負担の軽減度)、投資対効果(削減できた時間×時給で計算したコスト削減額÷ツール費用)です。
改善のサイクルは4ステップです。月次で効果を測定し、目標との差を確認します。問題点を洗い出し、「なぜ目標に達していないか」「どこに課題があるか」を分析します。改善策を実施し、運用ルールの変更や追加研修を行います。そして再度測定し、改善効果を確認します。このPDCAサイクルを回し続けることで、ツールの効果を最大化できます。
(image-alt: 段階的導入の3つのフェーズを示すタイムライン)
失敗しないための注意点
DX導入で失敗するパターンには共通点があります。これらを知っておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。
よくある失敗パターンと対策
失敗1:いきなり全機能・全員で開始
「せっかく導入したのだから、すべての機能を使おう」「全員で一斉に始めよう」という考えは、一見効率的に見えますが、実際には誰も使いこなせず挫折するパターンです。人間は一度に多くのことを学べません。新しいツールに慣れるには時間が必要です。
対策は、最小限の機能、少人数から開始することです。最初は日報機能だけを5名で始め、慣れてきたら写真管理機能を追加し、さらに人数を増やす、という段階的なアプローチが成功の鍵です。
失敗2:経営者だけで決定
経営者が「これは良い」と思って導入を決めても、現場の反発で使われないケースは非常に多いです。現場の社員からすると、「また上から押し付けられた」と感じ、協力的になれません。
対策は、現場の意見を聞き、トライアルで試すことです。現場監督や職人の代表も含めたプロジェクトチームを作り、一緒にツールを選定します。「自分たちが選んだツール」という意識を持ってもらうことで、導入後の定着率が大きく変わります。
失敗3:導入後のフォロー不足
導入時に研修を1回やっただけで、その後は放置してしまうケースです。最初は使っていても、分からないことが出てきた時に聞く人がおらず、結局使わなくなってしまいます。
対策は、サポート体制を整え、継続的に支援することです。社内サポーターの配置、月1回の勉強会、困った時にすぐ相談できる窓口の設置など、継続的なフォロー体制が必要です。
失敗4:完璧を求めすぎる
「すべての機能を理解してから」「完璧な運用ルールを作ってから」「全員が使えるようになってから」と、完璧を求めすぎると、いつまでも導入できません。また、導入後も小さなミスを気にしすぎて、かえってストレスになることがあります。
対策は、70%の完成度でスタートし、走りながら改善することです。「まずはやってみよう」「問題が出たらその時に考えよう」という姿勢が、DX推進には重要です。完璧な計画より、不完全でも実行することが成功につながります。
まとめ
中小建設会社のDX導入は、3つのステップで計画的に進めることで、確実に成果を出すことができます。
3つのステップの振り返り
ステップ1:現状分析と目標設定
業務の見える化を通じて自社の課題を正確に把握します。課題の優先順位を付け、「実現しやすく効果が大きい」ものから着手します。そして、具体的な数値目標を設定することで、効果を客観的に測定できるようにします。
ステップ2:ツール選定とトライアル
使いやすさを最優先に、必要十分な機能を持つツールを選びます。カタログや営業の説明だけで決めず、必ずトライアルで実際に使ってみることが重要です。3週間のトライアル期間で、使いやすさと効果を検証します。
ステップ3:導入と定着化
段階的に展開し、サポート体制を整備します。パイロット導入、部分展開、全社展開という3つのフェーズを経て、着実に浸透させます。継続的な研修と改善を通じて、ツールを定着させ、効果を最大化します。
成功の鍵
DX導入の成功には3つの鍵があります。
第一に、焦らないことです。半年から1年かけて定着させるつもりで、じっくり進めましょう。短期間で結果を求めすぎると、社員に負担がかかり、かえって失敗します。
第二に、小さく始めることです。最小限の機能、少人数からスタートし、成功体験を積み重ねます。小さな成功が次の成功を呼び、徐々に全社に広がっていきます。
第三に、社員と一緒に進めることです。現場の声を聞きながら、一緒にツールを選び、一緒に改善していきます。経営者の独断ではなく、社員を巻き込むことが定着の鍵です。
今日からできること
DXを始めるのに、特別な準備は必要ありません。今日からできることが3つあります。
まず、社員に「困っていること」を聞いてみましょう。朝礼で「日々の業務で時間がかかっていることは何か」と質問するだけでも、課題が見えてきます。
次に、作業時間を1週間測定してみましょう。実際に何にどれだけ時間がかかっているかを数値で把握することが、改善の第一歩です。
そして、気になるツールの無料トライアルに申し込んでみましょう。多くのツールは無料で試せます。実際に触ってみることで、「これなら使えそう」という感覚が得られます。
DXは特別なことではありません。日々の小さな改善の積み重ねです。「日報作成を10分短縮する」「写真整理を効率化する」といった小さな一歩から始めましょう。その積み重ねが、会社全体の生産性向上につながります。
建設業界全体で人手不足が深刻化する中、限られた人材で成果を出すには、一人ひとりの生産性を高めることが不可欠です。DXはその実現手段です。まずは一歩を踏み出しましょう。
【引用元・参考資料】
経済産業省
・「中小企業のデジタル化推進に関する調査」令和5年度
・「IT導入補助金2024」
中小企業庁
・「中小企業白書」令和5年版
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
・「DX白書2024」
本記事は現場Hub編集部が、中小建設会社へのヒアリング、業界動向の調査、および上記資料をもとに作成しました。



